コナミ 『沙羅曼蛇』 の修理 x2

調子の悪い『沙羅曼蛇』の基板を2枚お預かりしました。1枚はキャラ化け、もう1枚は起動画面から先にいかないといった症状です。キャラ化けの方から見ていきましょう。

上部と下部のテキストとスプライトの表示がおかしいです。下ボードはバブルボードであり、『ネメシス』の回路図があるので参考に見てみましょう。スプライトは回路図上だとOBJのはずなので、その信号が入っているSRAMやDRAMの波形を見ていきます。

8HにあるDRAMのTMM4164AP(7)の信号がHIGH固定でした。7はA1(アドレス)なので、ここがHIGH固定というのは考えにくいです。この信号を出しているのは10Hの74LS244(3)でしたので交換しましょう。

244を交換するだけで直りました。DRAMのアドレス信号は縦に全部繋がっているので、キャラとテキストの一部が仲良く化けたのでしょう。6面まで遊びましたが問題はありませんでした。

次は起動しない『沙羅曼蛇』です。まずは上ボードのEPROM2個とMASKROM2個が正常かどうか確かめます。MASKROMの吸い出しは
・32pinソケットを買ってきて32,31,30をジャンパ
・27C1000として吸い出す(ICソケットとIDチェックは飛ばす
でできました。

吸い出したところROMは全て正常でした。基板に戻して通電するとタイトル画面まで出ましたが、変な音が流れるといった具合です。起動に関しては故障ではなく接触の問題ですので、ソケットの交換を行いました。変な音が流れるのも接触不良ではないかと思うので、6個まとめて交換します。

ロゴがKonamiの頃はこの片側ソケットを多用しており、接触不良の温床となっています。過去にキャラバケする『サーカスチャーリー』を手に入れましたが、片側ソケットの交換で直りました。(先日直した『タイムパイロット’84』は特に問題なかったのでそのままですが、ダメになった時に考えればよいかなと思います。)

特に問題が出ることなく起動しました。ある程度遊びましたが問題がなかったので、これで修理完了とします。

今回お預かりした『沙羅曼蛇』の基板は、両方とも比較的簡単に特定ができて良かったです。持っている方も多い基板ですので、もし壊れた際にはこの記事が少しでもお役に立てればと思います。

【作業内容】
1枚目
・下ボードの74LS244交換
2枚目
・上ボードのICソケット交換x6