セガ 『フリッキー』の修理

「キャラがちらつくから見て欲しい」ということでセガの『フリッキー』の基板を預かりました。

確かにフリッキーやピヨピヨが正常に出ていません。写真にはありませんが、クリア後の<100><200><300>という文字が読めなくなってます。

スプライトを司っているのはIC12,13,22,23,32,33の2148です。取り外してチェックしようとしたらIC13とIC33のSRAMが砕け散りました。

砕け散ってはどうにもならないので、SRAMを新品に交換しました。IC23はチェックして問題なかったのでそのまま。

スプライトの問題は解決しました。やっぱりSRAMは取り外してチェックするのが良さそうですね。

写真だと分からない気がしますが、森のところがチラチラしています。

ROMを差し直したら解決するでしょうが、片側ソケットだしこの先の面でチラつくという可能性はあるので交換していきます。結局以前購入した『ピットフォールII』も背景ROMのソケットは全交換しました。

ソケットを交換して立ち上げたところ、当たり判定は出ない、色は変、フリッキーはジャンプしないという故障が発生したので見ていきます。

IC28の74LS153(3)、IC6の74LS157(14)、IC35の74LS157(11)が繋がっていますが、いずれも信号がコレでした。ここに信号が正しく入れば大きく前進する気がします。

テスターで変な出力をするTTLを探しても見つからず、導通先も見つからなかった(上記の3つは全て入力に行っているため、出力のICを探す必要がある)ので、断線の可能性から見ていきます。

『アップンダウン』の回路図で74LS153に繋がっている信号を見てみるとAD0~AD10というアドレス線を発見。『ピットフォールII』の基板が同じ作りをしているのでテスターで調べるとプログラムROMから信号が来ている模様です。

プログラムROMの先にあるIC124の74LS244(14)とIC28(3)をジャンパさせます。

一発で全部解決しました。

改めて裏面からジャンパします。

20面まで遊んで特に問題が見当たらなかったので、これで修理完了とします。

【作業内容】
・SRAM交換 x2
・背景ROMの片側ソケット交換 x6
・パターン修復

『フリッキー』にはいくつか思い出があるので、この場を借りて書いていきます。信じるも信じないも貴方次第。

その1
シカゴのゲームショップで箱説付のGenesis版『フリッキー』を45USDくらいで購入。「これでメガCDがなくても遊べるぜー」と思ったら、某mini収録予定リストに「『ゲームのかんづめ お徳用』、ダメなら『フリッキー』単品」と書いてあって少し暗い気持ちになった。

その2
某microは最初ロンチの『ペンゴ』をプッシュしようと思ったけど、諸般の事情があり『フリッキー』に変更。『フリッキー』のミニゲームを作ってたけど、これまた諸般の事情があってキャラを変えてROMを出した。最後に遊びづらいからってことになり慣性を取ったから『フリッキー』要素は0、茶トラのニャンニャンはさくらちゃんへ差し替え。