コナミ 『タイムパイロット』(C)の修理

eBayで格安で出ていたので『タイムパイロット』のコピー基板を買いました。以前直したのは続編の『タイムパイロット’84』なので、これが直れば両タイトルを持つことになります。

基板には「TAIMU-PAYLOT」と印刷されています。日本人がコピーしたのでしょうか。

上ボードも下ボードもクリスタルがもげています。14.318MHzと18.432MHzのクリスタルは普通に変えますのでまだよかったです。

上下共に新品のクリスタルに交換しました。さてどうなるか、スイッチオン。

絵は出るけど起動はしないといったところです。

起動しないといったらZ80(26)のRESET波形を見てみると上下に動いていました。HIGH固定のはずなのでこれが原因でしょう。

回路図上だとIC2とある82S153の(12)からリセット信号が出ています。別の『タイムパイロット』にこのICを挿したら起動したので、このIC自体は生きているはずです。

L6(Tile)のROMへは波形が全く行っていないというのも気になります。

基板自体がボロボロのサビサビだったので、ソケット化されているものを外してヤスリがけをしようとしたらPROMx2がダメになりました。幸いにも82S123Nはあったので焼き直しましたが、PROMを無駄にしないためにも直したいと思います。

手詰まりを感じるので、SRAMを外してチェックを掛けるも全て問題無さそうでした。この基板の下ボードには番号が降っていないのでICの場所が表記しがたいのですが、右上の74LS293(10)が上下にパタパタしていたので追いかけます。

ここの74LS74(5)に辿り着いたので交換しますが、特に起動するといったことはありませんでした。

また手詰まりを感じたので、リセットを出している82S153や波形の来ていないROMから離れて、端から波形をチェックしてみることにしました。するとソケット化されていた74LS368(11)にプローブを当てると先に進んでクロスハッチが出ました。

波形は74LS138(13)から来ていました。どう見ても怪しいので交換します。

立ち上がりました。基板には「TAIMU-PAYLOT」とありましたが、『スペースパイロット』でした。TIMEの文字スペースに無理矢理書いたSPACEの文字がうさんくささを出します。

キャラが化けていて音が出ません。まず音の方が何とかなりそうなので見ていきます。

Z80とPSGx2とROMをチェックするも問題無さそうでした。PSGの内1つは外したら脚が根元から折れたので、手元のと交換しました。やっぱりボロかった。

直付けされているのでやりたくなかったですが、2114が2個あるのでチェックしてみたところ、1個壊れている模様です。交換したら音が出るようになりました。

現状はこんな感じでスプライトが出ています。爆発や雲が真四角になっており、正常に読み出せていません。

1枚目が今回の『スペースパイロット』のスプライトROMのDATA部分、2枚目が動作品の『タイムパイロット』(C)のDATA部分の波形です。明らかに変な波形が混ざっています。

ソケット化されていた7404の波形がおかしい気がしてチェックするとNGでした。ここを交換しましたが特に変わりません。

スプライトROMの(22)=Output Enableを調べるとLOW固定でしたが、回路図を見ると本来は波形が出ているはずです。

ソケットがボロボロだったので外した時にスルーホールがやられたパターンでしょう。回路図を見ながらジャンパしました。コナミのコピー基板は作りが弱いのか、結構持って行かれることが多い気がします。

二重に表示されていますがあるべきスプライトは全て出ました。もう一息でしょう。

2114と6116以外にMBM2148LがSRAMとして使われており、外してチェックしても問題はなかったのですが、外側の2148を外すと表示が正常に近づきました。SRAM自体は無罪となるとこのアドレス部分に異常があるはずです。

アドレスが来ているのは2つの74LS163で、(7)(8)をプローブで接触させると表示が大きく変わるので(4)から(7)のアドレスを出している方が怪しいように見えます。

そこまで波形に異常があるようには見られず、ピギーバックをしても何も変化しませんでしたが、ダメ元で交換してみます。

正常にスプライトが出るようになりました。ある程度遊んでみましたが、異常が出なかったのでこれで直ったのでしょう。

純正の『タイムパイロット』はカスタムが多数使われており、回路図もそれに準拠しています。そのためコピー基板を直す際はあくまでも参考程度にしかならずそこで苦労した気がします。サブボードでカスタムを再現したコピー基板やサブボードなしデッドコピーなど、大ヒットしただけにコピーのバリエーションも盛りだくさんというのが特徴でしょうか。

安かったとはいえあまりにもボロボロで多数壊れていたので、多分普通にコピー買った方が安上がりで状態が良かったと思います。

【作業内容】
・基板洗浄
・XTAL取り付けx2
・74LS74交換
・74LS138交換
・2114交換
・7404交換
・74LS163交換

~以下不要の作業~
・PROM焼き直し
・ソケット交換
・パターン修復