タイトー 『スペースインベーダー パートII』の修理 (2枚目)

何枚か『スペースインベーダー』の基板を触っていると欲しくなったので、海外で未チェックジャンクの基板を安く引っ張ってきました。金属ケース無しで汚れと修理痕がありますが、eBayのジャンクなのでこんなものでしょう。

『インベーダー』は移動音の出ない『パートII』1PスタートとDIPが効かないミッドウェイ版に続く3枚目です。

立ち上げると音もなくこの画面で止まります。起動すると大音量でSEが流れるのですが、それもないということはサウンド部分の故障もある模様です。

写真はないですが、8080CPUのリセット信号がHIGHになっていました。Z80と違いこの信号がLOWになっていないと立ち上がらないので、回路図から信号を追いかけます。

IC8の74161(15)が出力となっていたので、取り外そうとするともげてしまいました。この43年間でこの基板にどのようなことがあったのか・・・、考えれば考えるだけ不思議になります。

ジャンク基板から74LS161を持ってきたので交換します。立ち上げたらどうなるのか・・・!

無事に起動しました。パースが付いているだけでなく「A」部分がインベーダーになっているところがオシャレで好きです。

デモ画面に遷移するとインベーダーの形が変なことになっています。DRAMかシフターのどっちかではないかと予想しつつ、毎度おなじみインベーダーテストROMを立ち上げます。

シフターのNGが出ました。このタイプの基板はIC3のMB14241がシフターの役割を担っているので、ICの脚とソケットを調べてみましょう。

脚が折れていました。ソケットに脚が残留していたのもあるので、脚の補修とソケット交換を行います。

サビをヤスリで磨いてから替えの脚を装着しました。以前直した『ゲットスター』のように脚がもろくなくてよかったです。

「SHIFTERS = OK」と出たのでこれでヨシでしょう。あとは全く音が出ないという問題です。

音が全く出ない問題の答えは簡単で、アンプの先のコンデンサがありませんでした。

回路図によると16V1000μFと書かれていましたが、手元にあった25V1000μFを付けていきます。立ち上げると音が出るようになりました。

前オーナーにより、物理的に高いソケットにへと交換されています。

裏面を見るとスルーホールが無くなっていたり、芋ハンダや汚れも目立ちます。全て取り外してソケット交換+ソケット化、ついでに清掃も行いたいと思います。

ソケット化されていたIC26とIC27はパターンが切れまくっていたので修復しました。これで立ち上げるとショット音が長いというトラブル以外全て動作するようになりました。

テスターやオシロで色々と当たってみるとIC26の2と3が接触していました。一旦ハンダを取り除き、再ハンダしたらショット音が正常に再生されました。ソケットを付ける際にテスターで接触確認をすべきだったと悔やまれます。

基板があまりにも汚かったのでママレモンで洗浄し、スペーサーとネジで組み上げたところかなり見た目が良くなりました。3面クリアまで遊んだ上で問題がないと判断したので、これで修理完了とします。

【作業内容】
・基板洗浄
・74161を74LS161に交換
・MB14241修復
・ソケット交換
・コンデンサ(25V1000μF)取付
・パターン修復