タイトー 『スペースインベーダー』 (ミッドウェイ版) の修理

ミッドウェイ版『スペースインベーダー』の基板を海外から購入しました。「修理済み動作OK」と書かれているだけあり、多くのICがソケット化された上で交換されています。『スペースインベーダー』を触るのはこの前の『パートII』以来2枚目です。

早速JAMMAハーネスを作りました。マザーボードのTコネクタはテーブル版『スペースインベーダー』の流用が効きますが、ピンコネクタ部分が独自です。『ナイトストライカー』のハーネス制作時に買ったタイトーHコネクタと同等品が使えそうなのでそのまま使いました。

ハーネスができたので立ち上げてみましょう。

立ち上がってコインが入るのにスタートボタンが効きません。ハーネスの不備を疑いましたが、該当ピンとJAMMAハーネス間で導通しています。これはもう基板の故障でしょう。

ちなみにこの小型液晶はHDMIとコンポジが入るからと買いましたが、『インベーダー』の白黒の信号も映るのでそれなりに便利な気がします。Amazonのリンクを貼っておきますので興味ある方いたらどうぞ。こちらです。

回路図を元に1P STARTの信号を追っていくと、7414(11)から(10)に行っています。

ボタンを押すと(11)の波形は動いていますが、(10)は写真のまま全く波形が動いていません。試しに2P START出力である(12)の信号を見てみると動きがあるので、この7414の不良で確定でしょう。

カスタムの抜かれたジャンクの『名人戦』に74LS14があったので移植しました。立ち上げてコインを入れてスタートが・・・効きました。

ゲームは遊べるようになりましたがDIPスイッチの設定が反映されていません。DIPをONにしてテスターで当たったところ導通していない、つまりONになっていないので壊れているのでしょう。

取り外してみると確かにボロボロです。動作品とは一体・・・と思いますが、オークションなので多分そんなものでしょう。8連DIPスイッチが取れるジャンク基板を探します。

別のジャンク基板からDIPスイッチを移植しました。立ち上げるとDIPの設定は効いたのでこれで修理完了でしょう。

動作確認として何度か遊んだところ、UFOに弾がヒットしたのにヒットと処理されないことがありました。まだ完治していない可能性が高いのでもう少し見ていきます。

『インベーダー』のチェックROMを使ったところ、そもそも立ち上がらないというトラブルが発生しました。押し込むと先に進んだのでICソケット不良と判断、見てみると当時物だったので交換しました。

チェックROMは立ち上がりましたが、シフターのエラーが出て止まりました。シフターについて調べると「スプライト機能のない基板でオブジェクト描画に必要な操作を高速化する」と書いてありました。オブジェクト描画がおかしいからUFOの判定がおかしい、と考えれば納得できます。

色々と見ていきましたが、ジャンパされていた線が外れていました。「誰かがジャンパしたんだから付いてるだろうヨシ」という思い込みが余計な時間を食った結果ですね。

他の基板のパターンや長さから推測して本来あるべき場所に戻していきます。

SHIFTERS = OK と出ました。やっぱりあのパターン切れが故障の原因です。梱包中に外れたか輸送中に外れてしまったのでしょう。

遊んだ限りこれで大丈夫なはずです。動作品と書かれていましたが、移動中のトラブルもあるでしょうし、こちらで弄っている間にジャンパが取れた可能性もあります。とりあえず問題なく動いているのでヨシとしましょう。

【作業内容】
・7414を74LS14に交換
・DIPスイッチ交換
・ICソケット交換
・パターン切れ修復