アルファ電子 『タルボット パート2』の修理

アルファ電子初期のタイトルである『タルボット パート2』の基板をeBayで購入しました。コネクタ部分に直付されている上に未チェックでしたが、なんとかなると判断し思い切って購入してみました。

出品説明文には「多分『タルボット』」と書かれていましたが、「ALPHA ELECTRONICS」と印字されている2枚タイプの基板は『タルボット』一択のはずです。(画像は出品写真より

ひとまず直ハンダを外し、アルファスポーツ系ハーネスを挿して通電するも起動せず。よく見るとC30のコンデンサが取れているので、これが原因かもしれません。25V470μF(本来は16Vのはず)を取り付けると起動しました。

起動して絵は出ましたが、ROM11H(プログラムROM)のエラーが出ています。カスタムチップ(ALPHA 8201)を抜き差しするとエラープログラムROMの位置が変わるので、カスタムのソケット不良でしょう。

抜いてみるとソケットの端子部分がボロボロでした。

カスタムを交換するとそれらしい画面が出てフリーズしました。カスタムの次に怪しいプログラムROMの挿し直しで症状が変わるので、次はプログラム部分のソケットのチェックです。

ROMデータの確認もあるので片っ端から外してみると、10G/10H/10Iのソケット端子がボロボロでした。起動が怪しいのはこの3つでしょうが、この際まとめて交換します。

基板だけでなく長年使っていたハーネスにも問題がありました。症状の切り分けのため、ソケット交換済みの『タルボット』は『チャンピオンベースボール』筐体にて動作を確認しました。

原因はソケットだけだったようで動作も安定しています。そして届いた基板は『タルボット パート2』であることが判明しました。猟犬タルボットは不在なので、何が『タルボット』なのか分からないゲームになっています。

JAMMA変換ハーネスを作り直しました。『タルボット』以外にも『チャンピオンベースボール』や『エキサイティングサッカー』でも使えます。一番ボタン数が多い『チャンピオンベースボール』準拠で作るのがいいでしょう。

普段の環境でも問題なく動くようになりました。吸い出してみた所、プログラムROM1~5(三菱ROMシールに手書き部分)とキャラROMの7,8が差分の模様です。PROMは『タルボット』と同じ。

【作業内容】
・ソケット交換
・ハーネス再作成

ミッチェル 『ポンピングワールド』 (ETC)の修理

『ポンピングワールド』のETC版である『PANG!』の基板を入手しました。ハドソンのパソゲーである『キャノンボール』のパワーアップ版といえるゲームです。

ROMシールはファルコン製で、カスタムCPU部分に「PONPING WORLD」と書かれているブラックボックスが載っています。気になるROMの中身は一般的に出回っている『PANG!』と同じでした。

ブラックボックスの中身はカプコンクイズのROMキットと同様でした。”POMPING”ではなく”PONPING”と書かれているのが少し謎です。

FB40、16V100μFコンデンサや抵抗(0.1μF)が抜かれていたので、電池切れ→部品取りとなっていたのかと思われます。FB40はジャンクのCPS1から移植、コンデンサと抵抗は新品を付けてみます。

取り外れていると思われる部分の部品を取り付けます。動作チェック用のInfinikey KABUKIを取り付け、ひとまず電池切れ問題を解決した状態で立ち上げてみます。

写真の真っ白な画面のまま止まっています。よーく画面を見ると0に混じって「RAM ERROR」と出ています。ゲームが正常に立ち上がらないということは、プログラム周りのSRAMが死んでいるのではないかと推測します。

9GのSRAM(HM6116LK-90)の上から手元の6116を被せると立ち上がりました。動作品のICを上から被せるのをピギーバックと海外では言うそうです。

該当のSRAMを取り外し、手元のSRAMを取り付けます。元の速度が90nsなので同等のものにしたいですが、在庫がなかったので45nsのものを取り付けています。遅いよりはマシでしょう。

無事に立ち上がりました。

【作業内容】
・Infinikey KABUKIの取り付け
・C41のコンデンサ(25V100μF)の取り付け
・C42,C43の抵抗(0.1μF)の取り付け
・9GのSRAM(HM6116LK-90)の交換

【訃報】 ドラッキーちゃん逝去のお知らせ

当社設立以前から愛猫としてその愛くるしさを振りまいてきた駒林ドラッキーちゃんが、去る2022年3月18日(金)に6歳にて逝去致しました。ここに生前のドラちゃんを可愛がって頂いたことを深く感謝すると共に、謹んでお知らせ致します。

『ドラネコシアター リプライズ』やBEEPの景品カードでドラちゃんを描いて頂いた餅月あんこ先生、そして『ドカフリ』に埋め込まれた写真を見て頂いたみなさまなど、ドラちゃんを認識して頂いた様々な方へ改めましてお礼申し上げます。

ドラちゃんが生きた証をこのサーバーある限り残していきたいと思います。

ワンダーフェスティバル2022冬で開催された井上淳哉先生サイン会に協力しました

RCベルグ様の依頼で、ワンダーフェスティバル2022冬にて『エスプレイド』の生みの親である井上淳哉先生のサイン会を行う運びとなりました。2018年~2019年に『エスプレイドΨ』を開発していたご縁でこうしてお仕事を頂きありがたい限りです。

弊社は井上先生のスケジュール調整、サイン会の企画、プレスリリースの作成、当日のオペレーション全般を担当しました。

こういったご時世にも関わらず会場までお越し頂いた皆様、ご依頼頂いたRCベルグ様、そして快くご対応頂いた井上先生へ、この場にて恐縮ですが深くお礼申し上げます。

タイトー 『ナイトストライカー』 のJAMMA変換ハーネス作成

『ナイトストライカー』のJAMMA変換ハーネスの作成依頼が来たので作成しました。

ひげねこ堂さんがアップされている配線図を見ながら配線すれば大丈夫ですが、実際に作った上でメモしたことをこちらにも記しておきます。
※テスターで導通を確認して配線してください。また全て自己責任でお願いします。

・アナログレバー
安くて配線が楽だと判断したので、15pin2列のゲームポート端子を搭載しているアナログジョイスティック(今回はELECOMのJC-800)を使用しました。レバーを分解し、配列を調べて以下に配線します。

<基板>  <ゲームポート端子>
1P AD(X)  →  3(Ax)
1P AD(Y)  →  6(Ay)
1P TRIGGER → 2(A1)
GND    →  4(GND)
+5V    →  1(Vcc)

※1P SHOT、COIN、STARTはJAMMA側に配線
※SERVICEは面セレクトの裏技に使うのでJAMMAの2P STARTに配線

またアナログ信号部分に繋がっているボリュームは入力と+5Vしか繋がっていないので、空いている端子にGNDを配線しています。実際にゲームを遊んでみて、入力方向と自機の移動が逆なら+5VとGNDを入れ替えます。

1P ADJ(X)と+5VとGND、1P ADJ(Y)と+5VとGNDをそれぞれボリュームに接続します。JC-800側とこのボリュームの両方でキャリブレーションを行う事ができますので、移動に関しては大分調整しやすいと思います。

・その他いろいろ

タイトー基板でおなじみHコネクタは現在秋葉原では買えないので、モノタロウで10個入りを注文しました。そして音声はSPEAKER LとSPEAKER RをそれぞれRCA端子に配線(今回は延長ケーブルでスピーカーまで接続した)、映像の5pin(Vコネクタ)はジョイスティック用ハーネスが余っていたのでそれを流用しました。

オルカ 『リバーパトロール』の修理 x2

「オルカの何か」として『リバーパトロール』の基板をお預かりしました。

コンデンサ(16V470μF)がもげており、何らかの衝撃があったものと思われます。JAMMA変換ハーネスを作成し、もげたコンデンサを25V470μFのものと交換すれば動く・・・と思ったら、そうは問屋が卸さず起動しませんでした。

交換したコンデンサの液漏れが激しかったので、下ボードとコネクタ付近のコンデンサ(16V100μF)を25V100μFのものへと交換したところ、起動するようになりました。 数もそこまで無かったので、ついでに残りも全交換して作業完了です。

【作業内容】
・JAMMA変換ハーネス作成
・コンデンサ全交換

もう1枚海外から未チェック品として購入した『リバーパトロール』も同時期に届いたので見ていきます。先ほどの基板と比べると上ボードが違いスッカスカなので、おそらくはオルカ版『クレイジーコング』の流用ではないかと思います。

泥だらけ錆だらけソケット一部破損とかなりの状態だったので、ママレモンで一度洗いました。ひしゃげていたソケットを交換した上で通電すると、1枚目と同じ画面が出て起動しません。前例に倣い怪しかったコンデンサを交換すると起動しました。ただ一部スプライトに色が付いていない不具合が起きています。

写真では溺れている人に色が付いていませんが、他にもドラム缶やワニも真っ白になっています。色々見ていくと5E,5Fの2115周りがスプライト関連なので、その近辺の波形を見ていきます。

お隣にある5D(93422PC)の波形が明らかにおかしかったので、チェック機で調べると予想通り「RAM IC: ! BAD !」の文字が出ました。

ということで、注文した新品の93422PCへと交換。

交換するとスプライトに色が付きました。念のため残りのコンデンサも交換して修理完了です。

【作業内容】
・『リバーパトロール』輸入
・基板洗浄
・ソケット交換
・JAMMA変換ハーネス作成
・コンデンサ全交換
・5D(93422PC) 交換