カプコン CPS1マザー(後期)の修理

『ナイツ オブ ザ ラウンド』のジャンクを入手しました。ちょっと前までは割と安かったですが、今となっては結構高いのでジャンクで手に入って良かったです。

電池が切れていたのはinfinikeyを取り付けて解決したのですが、立ち上げると画面が真っ赤になっています。この感じの壊れ方はカスタムじゃないと判断したので、何とか修理を試みようと思います。

回路図を見るとPPU(CPS-A-01)→写真の1C/3CのSRAMx2→TTLと抵抗でRGBが出ています。この壊れ方はSRAM不良だと思ったので取り外してチェックします。

SRAMは両方とも無罪でした。GNDと+5Vのハンダは取れにくいので片方でハンダゴテ、もう片方でハンダ吸い取り機の両手持ちでやるといいです。

ソケット化してSRAMを戻したところ色が正常に出ました。接触不良かハンダ不良でしょうか。CPS1のマザーは大体カスタム不良に行き着くので、今回は簡単な処置で直って本当に良かったです。

と思ったら後日再発しました。SRAM付近を押すと色が正常に出る、SRAMの先のICは4Cと4Eの74LS273です。4Cを触ると色が出たり出なかったりするので、ここのハンダ不良でしょう。

フラックスを使って4Cの74LS273を再ハンダしました。

衝撃を与えても角度を変えても安定して色が出るので、これで改めて修理完了でしょう。直って良かったです。

【作業内容】
・SRAMソケット化x2(これは不要だった)
・74LS273再ハンダ

タイトー 『スペースインベーダー』の修理 (3枚目)

もうそろそろ10枚目に突入する『スペースインベーダー』基板の修理日記です。またしてもジャンクを譲って頂いたので、ひとまず動くところまで組み上げていきます。

汚かったのでママレモンで洗浄して乾かしました。ROMボード以外は「TAITO」の文字がないのでコピーじゃないかと思います。

通電前にテスターで導通確認をすると、GNDと12Vがショートしています。

おなじみになりつつあるCPU上のタンタルコンデンサが原因でした。最近だとタイトーブラジルの『インベーダー』基板を使った『ギャラクシアン』こと『GALACTICA』もこの故障がありました。

今回のROMボードは2708だったので、2708用のチェックROMを準備する必要があります。といっても簡単で、2716のテストROMを前後に半分にしそれぞれ焼くだけです。前半をIC36、後半をIC35へと刺します。

幸運にもDRAMは問題なさそうです。UFO-Hの音が出ず、EXTRAの音が「ブブブッ」といった不穏な音を放っています。

UFO-Hは回路図だとICのLM3900が原因に見えるのですぐですが、EXTRAはLM3900を通っていないので気になります。手っ取り早く直りそうなUFO-Hから着手しましょう。

UFO-Hは回路図上だと「UFO-HIT」とあるIC33のLM3900です。交換したら音が出ました。

EXTRAは回路図上で「EXTENDED PLAY」です。AMP4 = VR5に該当します。

VR5のハンダクラックとジャンパの断線が見られます。他の基板を見る限りこのAがジャンパされているので、これもジャンパして大丈夫でしょう。

VR5のハンダ盛りとジャンパをして立ち上げるとEXTEND音も無事に再生されました。

ROMを元に戻して立ち上げました。問題無く『スペースインベーダー』が立ち上がってプレイできます。

1時間ほど付けっぱなしにし、1P2P共に3面まで遊びました。特に問題ないように見えるのでこれで修理完了とします。

【作業内容】
・フラットケーブルの調達
・中央ボードのCPU近くのタンタルコンデンサ(16V22μF → 25V22μF)交換
・IC33のLM3900交換
・VR5へハンダ盛り
・上ボードへのジャンパ復活

カプコン 『サイドアーム』(北米版)の修理

色々とありカプコンの名作『サイドアーム』北米版のジャンクを入手しました。出品説明文にはスプライトと背景がおかしいとありましたが、まあ何とかなるだろうと見越しての購入です。

立ち上げると確かにスプライトの半分が出ておらず、背景にも線が出ています。上がゆがんでいるのは同期の問題なので関係ないです。とりあえずスプライトから見ていこうと思います。

スプライトと背景は下ボードで管理されているので下ボードを見ます。回路図を見ると5Eと5Fの2つのSRAMがビデオボードの全SRAMなので、ここのデータの波形を見てみます。

5EのSRAMの出力がおかしいように見えます。

取り外してみたところ問題がありませんでした。このSRAM周辺、回路図だと「LINE BUFFER 1」のICを調べてみます。

7Eの74LS163(11)(12)の波形が浮いています。

ピギーバックするとスプライトが正常に出ました。やはりここが原因でしょう。

74LS163を交換したのでスプライト周りはこれで完了のはずです。次は背景を見ます。

背景ROMはSA_15から22までです。ROMを動作品と入れ替えてみましたがキャラ化けは解消しなかったので、この基板の背景ROMは無罪ということでしょう。

Webにある回路図だと背景ROMの先、「SHEET 10 OF 12」がなかったので自分で調べます。結論からするとROMのDATA信号は11Gの86S100に入って、(7)(8)(9)(10)から出力されます。

(9)(10)の波形が動作品(2枚目の画像)と比べると変です。カスタム不良であって欲しくはないですが、可能性としては十分にあるので取り外してみます。

別のジャンク基板から抜いた86S100へと交換します。ソケットは1.778mmピッチのものが使えます。

カスタムを交換したところ背景不良が直りました。スタートボタンを押すと地球がボゾンに攻められて真っ赤になる訳ですが、ひとまず青く美しい地球が戻ってきました。

遊んでみると一部敵スプライト=今回はアイテムキャリアも兼ねてるキャラの表示がおかしいです。DIPA-8のテストモードでスプライトが見られるので、動作品と見比べてみます。

上が今回の基板で下が動作品の基板です。色もデータもありません。

このSA_06からSA_13がスプライトROMです。脚を磨いた後にROMライターで吸い出してみるとSA_08とSA_09のROMデータが壊れている模様です。

27C256で焼き直したらキャラが微妙に化けています。ROMデータ自体は正常なので、一旦ソケットを交換してみることにします。

ソケットを変えても解決しませんでした。マスクROMの速度が250nsなのに対し、焼いたEPROMの速度が100nsでした。そこが原因の可能性もあるかと思います。

ジャンクのKABUKIクイズ基板に使われていたIntelのD27C256で焼き直してみました。

スプライトが問題無く出ています。没グラフィックのアッシマーも問題ありません。ROM不良と焼き直しといえば北米版『戦場の狼』を思い出します。この頃のカプコン基板のマスクROMはなんとなく死亡率が高い気がします。

一通り遊んでも問題が見当たらなかったので修理完了とします。グラフィックも曲もプレイ感覚も良いので、死んだらどうにもならない部分だけが気になってしまいます。ボスの種類が少ないのも少し気になりますが、『グラディウス』初代も似たようなものなのでそこはまあそういうものでしょう。

【作業内容】
・74LS163交換
・86S100交換
・EPROM焼き直しx2

タイトーブラジル 『GALACTICA』の修理

物珍しさから『GALACTICA』と書かれている基板がブラジルから出ていたので落札しました。基板には「PV」と書かれたシールがあるので、過去に直した『スペースインベーダー パートII』と同じものです。ブラジルから日本という長旅をしてきただけあって非常に汚いですが、早速基板を見ていきましょう。

CPUの8080が取られています。CPU近くのタンタルはショートしていませんでした。

下のROMボードです。2716が7個使われていて、これは『パートII』から2個増えています。

ROMの脚はボロボロでした。一通り見たので基板を洗浄します。

綺麗になりました。CPUを付けてテストROMを挿して通電したところ、見事に立ち上がりませんでした。先ほどのタンタルがダメになった可能性が高いです。

現状をまとめると
・CPU横のタンタルのショートを確認
・ROMの脚がボロボロなので補修
・ICソケットに脚が残っているので全交換
といった作業がまず必要です。

CPU横のタンタルが短絡していたので交換しました。過去にこれで何とかなった事例は『ギャラクシーウォーズ』(ROMC)がありました。このタイプの基板の定番故障の一つだそうで。

ROM脚を片っ端から補修します。結構バキバキでしたが、まだハンダが付くレベルだったので不幸中の幸いでしょうか。ROMは読めましたがいくつかベリファイがコケていました。

ソケットは脚が残留しているだけでなく、ROM6に該当する部分のソケットが逆に付いているのが気になるので、全部交換していきます。

新品に交換しました。これで接触不良が起きることもないでしょう。

通電すると画面が真っ赤に出てテストROMも途中で再起動しています。

真っ赤→色→カラーROMを見てみようと思い、外したところ脚が根元からもげました。

同じタイプのPROMがあったので焼き直しました。

別のボードと組み替えた結果、どうやら上ボードのみに原因がありそうです。ソケット化されているシフターICも見てみるかと思ったら脚がもげてしまいました。これはもうどうにもならないので、他の故障の可能性を調べていきます。

チェックROMを使うと「RAM = OK」と出たあとに再起動し、この先のROMチェックまで行きません。

ついでに青と緑が全く出ていません。カラー出力の回路に使われているICはIC16(7432)、IC20(7404)、IC21(7416)、IC23(7400)の模様です。今回はICが黒塗りされている基板でしたが、黒塗りのない基板もあるのでそっちを見た方が確実です。ICを見る限り問題なさそうなので、初期化がされてないとかそういった問題に見えます。よってここはスルー。

リセットに関係するIC8の74161が変な気がしたので、外してチェックしたところエラーが出ていました。ただ何も解決に至りません。

放置していたら”RAM”の表示が壊れていました。ボードを入れ替えてみると下ボードに原因があることが判明しました。

真っ赤な画面を見続けるのも目に悪いので白黒出力に切り替えて様子を見ていたら、次は立ち上がらなくなりました。

8080(23)のREADY信号が何も出ていません。IC38の7474(5)からCPUへと繋がっています。

74LS74を被せたところ立ち上がりました。ちなみに画面が正常ですが、これは別の下ボードを使っているためです。

交換したところちゃんと立ち上がりました。次はテキストが化けている問題に着手します。

・下ボードに原因がある
・データがおかしいように見える
の2点から回路図を見ていきます。

EPROMから出たデータ信号はそのままCPUボードに行っています。DRAMの出力が7404を通って、(2-9)(2-10)(2-11)(2-L)(2-M)(2-K)(2-N)(2-12)からIC29/30の74166、そこからIC20の74157へと行っています。

以前直した『タイムパイロット』(C)の時みたいにICを外してみないと分からないこともあるはずなので、この3つを片っ端から外して行きます。

予想は的中、IC20の74157を交換したところ直りました。回路図を見るとシフターICからリセット信号が出ている、動作品のシフターICを使って検証しようにも今手元にないので、シフターICのリプロを注文しつて今日はここで切り上げます。

シフターのリプロが届いたので取り付けるも、特に変わらずにRAM=OKと出たあとにリセットします。つまりシフターより手前のICがおかしいということになります。

交換したIC8の74161(15)が上下に動いているので、この手前の信号を疑っていきましょう。回路図を見るとIC13の7442が一つ手前のICでした。

(4)(6)(7)の信号が浮いています。7442は手元にないということもあり、丁寧に取り外してICチェックに掛けてみました。

やっぱり・・・という壊れ具合です。74LS42を注文したのでこの日はお開き。『インベーダー』用のICは他で使わないものが多いのでこういうところで時間が取られます。

74LS42が手に入ったので取り付けます。

一通りのチェックが通るようになりました。ただINV-H,EXTRA,UFO-Hの音が出ていません。

該当するLM3900交換してみましたが特に変化はありませんでした。そもそもそういう改造がされているというのが正解かもしれません。

テストROMから元のプログラムROMへと差し替えたところ正常に立ち上がりました。ICの注文もそうですが、そもそも結構な重傷だったので、ここまで来るのに時間が掛かりました。

3面クリアまで遊んで問題がなかったのでこれで修理完了とします。もの凄い処理落ちするため難易度は低いです。言い忘れていましたがゲーム内容は完全に『ギャラクシアン』です。

簡単なプレイ動画

もう少し細かい話をすると『インベーダー』基板で動く『ギャラクシアン』が『スペーシアン』という名前で存在しているので、それのグラフィック差し替え版と言うべきでしょうか。謎の多いタイトーブラジルらしい1枚です。

約半年後に立ち上げるとまた起動しませんでした。

7/8/G/HのDRAMにエラーが出ました。全く同じエラーを見たことあるぞ・・・と思ったら、3枚目の『スペースインベーダーパートII』でした。こういう時に修理日記のありがたみがありますね。

予想通りIC40の7404が死んでいました。

交換したらまた立ち上がりました。珍しい基板だとは思うので、また直って良かったです。

【作業内容】
・基板洗浄
・8080取付
・シフターのリプロ取付
・EPROMの脚補修
・ICソケット交換
・中央ボードのCPU近くのタンタルコンデンサ(16V22μF → 25V22μF)交換
・カラーROM焼き直し
・74161交換
・7474交換
・74157交換
・7442交換
・7404交換

タイトー 『スペースインベーダー パートII』の修理 (3枚目)

ジャンクの『スペースインベーダー』基板1セットを入手しました(入手時の写真は取り忘れたので写真は事後)。ROMボードはPVであり、ROMを吸って確かめてみたところ『パートII』だったのでタイトルは『スペースインベーダー パートII』とします。

フラットケーブルがなかったので手元にあったものから拝借し、テストROMを付けて通電してみます。

DRAMの78GHにエラーが出ました。とりあえずこの4箇所のDRAMを外してソケット化しましたが変化はありません。

裏面がフラックスでベトベトなので、フラックスクリーナーで掃除をしてからDRAMを取り外します。

テストROMのマニュアルには「2とBなど横並びのICが両方エラーを吐く場合、その先の7404が壊れている場合もある」とあるので、今回の場合はIC40の7404を交換しても変化がありません。

調べた結果この説明文は正確ではなく「横並びのDRAMが両方エラーを吐く場合、DRAMの出力=(7)から7404、そしてCPUのアドレスまでの間のどこかが壊れている」ではないかと思います。

7/Gに位置するDRAMはD6を出し、8/Hに位置するDRAMはD7を出します。今回はこの2つだけが繋がっているICが怪しいということになります。回路図を見ていくとIC40の7404、IC37の74LS174、IC26の74LS153、IC28の74LS241から8080へと入ります。

割と片っ端から変えていったのですが、IC26の74LS153を交換したところ”RAM = OK”と出ました。ピギーバックをしてもダメだし、波形を見てもそんな変に見えないけど壊れているというのは、この前直した『タイムパイロット』(C)を思い出します。

ショット音と爆発音がしなかったので、いつものLM3900がダメになっているのでしょう。回路図だとショット音(TRIGGER SOUND)はIC34とIC35、FLASH(爆発)はIC33とIC34です。

LM3900だけICの下に数字が入っているという腹立たしい設計なので、参考がてら写真を載せておきます。IC31は間違って外した物です。

一通りLM3900を交換したところ無事に音が出ました。あとは下のROMボードと組み合わせるだけです。

立ち上がりそうで立ち上がらずにリセットが掛かり続けます。

音の変だった『スペースインベーダー』のROMを持ってくると正常に立ち上がります。今回の『パートII』との違いは2716の数が4個か5個かといったところです。

ROMは正常なであり、ソケットを交換しても変わらないので、基板側の設定以外無いはず・・・ということで『パートII』のDIPを見るとDIP3はOFFにしろとあります。

別の上ボード(CV070005A/CV070002A)だと立ち上がりましたが、今回の基板と同タイプの別ボード(CV070001A/CVN00001A)だとDIP3をOFFにしても立ち上がりません。ロットやシフターICの有無によって何らかの相性があるのではないかと思います。何らかの改造で動くと信じていますが、今回これにてお開き。

【作業内容】
・74LS153交換
・LM3900x4 交換(1個不要)

特定商法に基づく表記

【販売業者名】
キャット・ホイ商事合同会社
【販売責任者】
駒林 貴行
【所在地】
〒348-0005
埼玉県羽生市大字上村君130番地1
【サイトアドレス】
https://www.cathuitrading.com/
【メールアドレス】
komabayashi @ cathuitrading.com
【古物商許可】
埼玉県公安委員会許可 第431230056079号

【販売価格】
各商品ごとに表示
【ご注文方法】
問い合わせフォームから必要事項を記入の上ご注文
【お支払い方法】
銀行振込・PayPal
【商品引き渡し時期】
入金の確認後、通常時は2~3営業日以内に発送を行います。
【返品】
入金後のお客様都合によるキャンセルや返品は承りません。
破損やデータ不良、ご注文と異なる商品が届いた場合は到着後1週間以内にメールにてご連絡下さい。

プライバシーポリシー(個人情報保護方針)

キャット・ホイ商事合同会社(以下、弊社)は、個人情報の取り扱いにおいて、下記のように定めます。

以下のプライバシーポリシーでは、個人情報の取得・利用・管理について記載しております。以下の個人情報保護方針をお読みになり、ご理解頂けますと幸いです。

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弊社では、お問い合わせ頂いたお客様の個人情報(氏名、住所、メールアドレス、電話番号など個人を特定できる情報)を取得させて頂くことがあります。

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【改変と見直しについて】
個人情報については、法令変更などを受けて随時見直しを行います。

カプコン 『戦場の狼』(北米版)の修理

なかなか状態の悪い『戦場の狼』の北米版を入手しました。こんな見た目からしてもうジャンクという基板でもそこそこ高いのが世知辛い世の中です。あんまりにも汚かったのでママレモンで洗いましたが、それでもまだ小汚いです。

結果から書くと過去に直した『ゲットスター』韓国『テトリス』並に手間が掛かったので、この記事も非常に長いです。お時間のあるときにどうぞ。

国内版だと隠されていますが、北米版はデータイースト販売なのでメインCPU横のカスタムがそのままです。ここが壊れていないことを願わんばかりです。

ROMは正常なのを確認して立ち上げるとぐちゃぐちゃの画面のまま止まります。CPUを取り外したらボロボロだったので交換、SRAMは取り外してチェックに掛けても異常なしでした。

動作品の国内版を持っているので入れ替えながら試してみると、どうやら今回買った基板のフラットケーブルだと動作品のセットでも立ち上がっていません。つまりフラットケーブルに異常があるということです。

フラットケーブルを動作品のものと交換したら立ち上がりました。背景ボードとスプライトボードは動作品、CPUボードのみを今回買ったものにしています。音が出ておらず、テキスト面も壊れています。

テキスト面周りのICを調べてみると7Eの74LS273の出力信号が浮いていました。

少し良くなりましたが、全体的に反転しています。

こういう時に便利なのが回路図で、テキスト面(CHARACTER)の中から「FLIP」とあるのを探してみると4Cがヒットしました。

確かに4Cの74LS86の出力信号が変でした。

これでテキスト面は完治しました。続いてまだ楽そうに見えた背景ボードを見ていきます。

入れ替えると派手に壊れていました。

EPROMの脚が曲がっています。少なくともここを戻せば多少は良くなるはずです。

ちょっと改善しました。

VT_14のデータ信号が浮いていたのでおかしいなと思ったら、(28)の+5Vの脚が腐食して接触していませんでした。そのためROMが動いておらず、データ信号も出ていないということになります。

ソケットは全交換、脚がまだ何とかなりそうなROMは補修します。VT_12と16はもうダメそうだったので焼き直しました。

無事に見慣れた画面へと戻ってきました。

よく見ると一部グラフィックに下線が見えていて気になります。

見直すと補修したROM脚が取れていました。元に戻したら問題無かったので背景ボードの修理は完了でしょう。続いてスプライトボードを見てみます。

何かが出ているけど・・・といった具合です。木もスプライトで描いていたことにちょっと驚きでした。

出力のおかしかった1Aと2AのSRAMを外して調べて見るもチェック機ではOKAYだったのでここではない模様です。

『バルガス』改造『1942』の修理の時と同じく、なにかのICがスプライトの出力そのものに関わっていており、今回はそれが問題があると判断しました。ということで回路図上にある「24/96 OBJECT CONTROLLER」を見てみます。

8Aの74LS10の出力が変でした。74LS10の在庫はなかったので丁寧に取り外してチェックしました。

なかなか派手に壊れていました。

ジャンク基板に74LS10があったのでそこから持ってきたところ、見事にスプライトが出ました。

少し遊んでみると橋とバイク、ヘリの風圧でなびく木のグラフィックが化けていました。ROMデータがおかしいんじゃないかと判断したので、どのROMが怪しいかを検証してみました。

VT_08/09/10を外して起動しても表示がおかしいので、VT_05/06/07に絞られます。VT_05を外して起動してもキャラ化け、VT_06を外してもキャラ化け、VT_07を外すとキャラ化けが消えた・・・ということでVT_07不良と判断しました。

VT_07を焼き直します。

スプライトもバッチリなのでこれでスプライトボードも修理完了でしょう。残るは全く音が出ないというトラブルです。

サウンドCPUのアドレスもデータも不安定に出たり出なかったりします。Z80やSRAMを交換しても症状が変わらなかったので、どこか別のところに問題があるはずです。

調べてみるとYM2203C(38)にクロックが来ていません。Z80と11Eの74LS74だけしか関係していないので74LS74を交換しても変化がありませんでした。

よく見るとサウンドROM(15)が短くなっています。また他の脚も触ると取れたので限界に近い状況だったのでしょう。

脚を修復して戻すとZ80からアドレスとデータ信号などが安定して出ました。ただ交換した11Eの出力だけが出ておらず、Z80へのINTとYM2203Cへのクロックが出ていません。

よく見てみると(14)の+5Vがしっかり付いていません。ここが怪しいと思い先もってソケット化した時のハンダ不良です。ハンダ不良といえばタイトーの製造ミス疑いの高い『ルパン三世』、自分でハンダ不良をやっていた2枚目の『スペースインベーダー』を思い出します。

ハンダを付けると一部PSGの音が出るようになりました。11CのYM2203CはIOAの信号が浮いており、(18)(19)(20)からPSGが出ないので間違いなく故障でしょう。

交換するとPSGは両方出るようになりましたが、FMはまだ出ません。

2203Cの出力はそのままDACのYM3014Bへと行き、(2)からは音が出るはずです。ただ両方とも出なかったのでダブルで死んでいるのでしょう。

ソケット化して別の基板から3014を拝借したところ音が出ました。注文したので到着待ちです。(拝借した3014は元に戻した)

先にフラットケーブルが届いたので装着しました。あとは3014が届くのを待つばかりです。

届いたので交換しました。問題無くサウンドが全て再生されたのでこれで修理完了でしょう。「フラットケーブルがおかしいわけがない」という前提の元でやっていたので、特定までにとにかく時間が掛かりました。持ってて良かった動作する『戦場の狼』と『SPACE INVASION』。

【作業内容】
・基板洗浄
・フラットケーブル交換

CPUボード
・メインCPU交換(不要の可能性あり)
・74LS273交換
・74LS86交換
・サウンドROM脚補修
・YM2203C交換
・YM3014Bx2 交換

背景ボード
・ICソケット全交換
・ROM脚補修x4
・ROM焼き直しx2

スプライトボード
・74LS10交換
・ROM焼き直し

タイトー 『スペースインベーダー』の修理 (2枚目)

多分第6回となる『スペースインベーダー』系基板の修理日記です。今回は電源が壊れてた筐体に入れた結果起動しなくなってしまった基板です。GNDと12Vが導通しているというこの前直した『ギャラクシーウォーズ』と同じ気配のする故障具合です。

タンタルコンデンサ付近と8080のICソケットが派手に焦げています。

8080の脚がもげていたので補強しました。

タンタルコンデンサを全て外して12Vに関係するコンデンサを外しても導通したままでした。こうなるとDRAMが短絡しているとしか考えられないので外して行きます。

ここのDRAMが短絡していました。一番タンタルに近い場所です。このDRAMを外したらようやくGNDと12Vの導通がなくなったので、諸々元に戻していきます。

買ったDRAMへと入れ替えて立ち上げるとRAMエラーが出ました。

今回買ったDRAMとこの基板に載っていたDRAMを入れ替えたりしてみると、今回まとめて買ったDRAMが全てNGを出しています。買ったDRAMが全滅というなかなか無さそうな状況です。

GNDのところの波形が変だったのはよく見るとハンダが付いていないだけでした。慣れてきたからこそ起きたミスだと思うので皆様も気をつけましょう。

ハンダを付けたからといって症状が変わる訳ではない、別のソケット化した所のDRAMと入れ替えたらエラーの場所が転移という2点から、この前新品で買ったDRAMが不良品じゃないかという疑念が深まります。

別の基板から拝借したDRAMを使ったらエラーが無くなりました。音もシフターもOKだったのでこれで修理完了でしょう。

【作業内容】
・基板洗浄
・8080の脚を修復+ソケット交換
・中央ボードのタンタルコンデンサ全交換
・DRAM交換

タイトー 『スペースインベーダー』の修理

最近多い『スペースインベーダー』系基板の修理日記です。これで5枚目ですが『ギャラクシアン』以降とは違う基板の構成をしているので、いつまで経ってもあまり慣れない気がします。

今回の基板はインベーダーの移動音が変です。具体的には4音ある内、2番目が1番目より高い音がしています。インベーダーの移動音がどうこうというのは最初に直した『パートII』を思い出します。

インベーダーの移動音は回路図上ではSTEPと表記されています。

関連しているLM3900は総合ボリュームのみです。

裏面に交換された跡があったので、「このアンプのメーカー違いが引き起こしている可能性もあるのではないか」と思い交換してみました。音量は大きくなりましたが音程は変なままでした。

音を出しているIC26の556を調べても音程は変だったので、これよりも手前でしょう。

回路図を見るとIC19の74174からIC20の7417と抵抗を介して4つの信号(SX6/SX7/SX8/SX9)が556へと来ています。順当に考えると4つある移動音はそれぞれSX6/SX7/SX8/SX9となり、2番目の音が変だとなるとSX7の抵抗値がおかしいということなります。

それに該当するのはSN76477の左にある抵抗群です。正常動作している基板で抵抗値を調べると一番左から
・1kΩ (SX6 from 7417)
・1kΩ (SX7 from 7417)
・1kΩ (SX8 from 7417)
・1kΩ (SX9 from 7417)
・20kΩ
・20kΩ
・68kΩ
・100kΩ
・82kΩ
となっています。

ただ今回の基板は左から7番目、68kΩが付いているべき所に20kΩの抵抗が付いていました。確かに音が高くなる訳です。隣の20kΩをそのまま間違って付けてしまったとしか思えません。

抵抗を68kΩへ交換するとインベーダーの移動音は正常になりました。先日直した『ルパン三世』に続き、タイトーの製造ミスの可能性が非常に高い基板でした。

【作業内容】
・抵抗交換
・LM3900交換(不要)