タイトー 『スペースインベーダー パートII』の修理 (3枚目)

ジャンクの『スペースインベーダー』基板1セットを入手しました(入手時の写真は取り忘れたので写真は事後)。ROMボードはPVであり、ROMを吸って確かめてみたところ『パートII』だったのでタイトルは『スペースインベーダー パートII』とします。

フラットケーブルがなかったので手元にあったものから拝借し、テストROMを付けて通電してみます。

DRAMの78GHにエラーが出ました。とりあえずこの4箇所のDRAMを外してソケット化しましたが変化はありません。

裏面がフラックスでベトベトなので、フラックスクリーナーで掃除をしてからDRAMを取り外します。

テストROMのマニュアルには「2とBなど横並びのICが両方エラーを吐く場合、その先の7404が壊れている場合もある」とあるので、今回の場合はIC40の7404を交換しても変化がありません。

調べた結果この説明文は正確ではなく「横並びのDRAMが両方エラーを吐く場合、DRAMの出力=(7)から7404、そしてCPUのアドレスまでの間のどこかが壊れている」ではないかと思います。

7/Gに位置するDRAMはD6を出し、8/Hに位置するDRAMはD7を出します。今回はこの2つだけが繋がっているICが怪しいということになります。回路図を見ていくとIC40の7404、IC37の74LS174、IC26の74LS153、IC28の74LS241から8080へと入ります。

割と片っ端から変えていったのですが、IC26の74LS153を交換したところ”RAM = OK”と出ました。ピギーバックをしてもダメだし、波形を見てもそんな変に見えないけど壊れているというのは、この前直した『タイムパイロット』(C)を思い出します。

ショット音と爆発音がしなかったので、いつものLM3900がダメになっているのでしょう。回路図だとショット音(TRIGGER SOUND)はIC34とIC35、FLASH(爆発)はIC33とIC34です。

LM3900だけICの下に数字が入っているという腹立たしい設計なので、参考がてら写真を載せておきます。IC31は間違って外した物です。

一通りLM3900を交換したところ無事に音が出ました。あとは下のROMボードと組み合わせるだけです。

立ち上がりそうで立ち上がらずにリセットが掛かり続けます。

音の変だった『スペースインベーダー』のROMを持ってくると正常に立ち上がります。今回の『パートII』との違いは2716の数が4個か5個かといったところです。

ROMは正常なであり、ソケットを交換しても変わらないので、基板側の設定以外無いはず・・・ということで『パートII』のDIPを見るとDIP3はOFFにしろとあります。

別の上ボード(CV070005A/CV070002A)だと立ち上がりましたが、今回の基板と同タイプの別ボード(CV070001A/CVN00001A)だとDIP3をOFFにしても立ち上がりません。ロットやシフターICの有無によって何らかの相性があるのではないかと思います。何らかの改造で動くと信じていますが、今回これにてお開き。

【作業内容】
・74LS153交換
・LM3900x4 交換(1個不要)

特定商法に基づく表記

【販売業者名】
キャット・ホイ商事合同会社
【販売責任者】
駒林 貴行
【所在地】
〒348-0005
埼玉県羽生市大字上村君130番地1
【サイトアドレス】
https://www.cathuitrading.com/
【メールアドレス】
komabayashi @ cathuitrading.com
【古物商許可】
埼玉県公安委員会許可 第431230056079号

【販売価格】
各商品ごとに表示
【ご注文方法】
問い合わせフォームから必要事項を記入の上ご注文
【お支払い方法】
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カプコン 『戦場の狼』(北米版)の修理

なかなか状態の悪い『戦場の狼』の北米版を入手しました。こんな見た目からしてもうジャンクという基板でもそこそこ高いのが世知辛い世の中です。あんまりにも汚かったのでママレモンで洗いましたが、それでもまだ小汚いです。

結果から書くと過去に直した『ゲットスター』韓国『テトリス』並に手間が掛かったので、この記事も非常に長いです。お時間のあるときにどうぞ。

国内版だと隠されていますが、北米版はデータイースト販売なのでメインCPU横のカスタムがそのままです。ここが壊れていないことを願わんばかりです。

ROMは正常なのを確認して立ち上げるとぐちゃぐちゃの画面のまま止まります。CPUを取り外したらボロボロだったので交換、SRAMは取り外してチェックに掛けても異常なしでした。

動作品の国内版を持っているので入れ替えながら試してみると、どうやら今回買った基板のフラットケーブルだと動作品のセットでも立ち上がっていません。つまりフラットケーブルに異常があるということです。

フラットケーブルを動作品のものと交換したら立ち上がりました。背景ボードとスプライトボードは動作品、CPUボードのみを今回買ったものにしています。音が出ておらず、テキスト面も壊れています。

テキスト面周りのICを調べてみると7Eの74LS273の出力信号が浮いていました。

少し良くなりましたが、全体的に反転しています。

こういう時に便利なのが回路図で、テキスト面(CHARACTER)の中から「FLIP」とあるのを探してみると4Cがヒットしました。

確かに4Cの74LS86の出力信号が変でした。

これでテキスト面は完治しました。続いてまだ楽そうに見えた背景ボードを見ていきます。

入れ替えると派手に壊れていました。

EPROMの脚が曲がっています。少なくともここを戻せば多少は良くなるはずです。

ちょっと改善しました。

VT_14のデータ信号が浮いていたのでおかしいなと思ったら、(28)の+5Vの脚が腐食して接触していませんでした。そのためROMが動いておらず、データ信号も出ていないということになります。

ソケットは全交換、脚がまだ何とかなりそうなROMは補修します。VT_12と16はもうダメそうだったので焼き直しました。

無事に見慣れた画面へと戻ってきました。

よく見ると一部グラフィックに下線が見えていて気になります。

見直すと補修したROM脚が取れていました。元に戻したら問題無かったので背景ボードの修理は完了でしょう。続いてスプライトボードを見てみます。

何かが出ているけど・・・といった具合です。木もスプライトで描いていたことにちょっと驚きでした。

出力のおかしかった1Aと2AのSRAMを外して調べて見るもチェック機ではOKAYだったのでここではない模様です。

『バルガス』改造『1942』の修理の時と同じく、なにかのICがスプライトの出力そのものに関わっていており、今回はそれが問題があると判断しました。ということで回路図上にある「24/96 OBJECT CONTROLLER」を見てみます。

8Aの74LS10の出力が変でした。74LS10の在庫はなかったので丁寧に取り外してチェックしました。

なかなか派手に壊れていました。

ジャンク基板に74LS10があったのでそこから持ってきたところ、見事にスプライトが出ました。

少し遊んでみると橋とバイク、ヘリの風圧でなびく木のグラフィックが化けていました。ROMデータがおかしいんじゃないかと判断したので、どのROMが怪しいかを検証してみました。

VT_08/09/10を外して起動しても表示がおかしいので、VT_05/06/07に絞られます。VT_05を外して起動してもキャラ化け、VT_06を外してもキャラ化け、VT_07を外すとキャラ化けが消えた・・・ということでVT_07不良と判断しました。

VT_07を焼き直します。

スプライトもバッチリなのでこれでスプライトボードも修理完了でしょう。残るは全く音が出ないというトラブルです。

サウンドCPUのアドレスもデータも不安定に出たり出なかったりします。Z80やSRAMを交換しても症状が変わらなかったので、どこか別のところに問題があるはずです。

調べてみるとYM2203C(38)にクロックが来ていません。Z80と11Eの74LS74だけしか関係していないので74LS74を交換しても変化がありませんでした。

よく見るとサウンドROM(15)が短くなっています。また他の脚も触ると取れたので限界に近い状況だったのでしょう。

脚を修復して戻すとZ80からアドレスとデータ信号などが安定して出ました。ただ交換した11Eの出力だけが出ておらず、Z80へのINTとYM2203Cへのクロックが出ていません。

よく見てみると(14)の+5Vがしっかり付いていません。ここが怪しいと思い先もってソケット化した時のハンダ不良です。ハンダ不良といえばタイトーの製造ミス疑いの高い『ルパン三世』、自分でハンダ不良をやっていた2枚目の『スペースインベーダー』を思い出します。

ハンダを付けると一部PSGの音が出るようになりました。11CのYM2203CはIOAの信号が浮いており、(18)(19)(20)からPSGが出ないので間違いなく故障でしょう。

交換するとPSGは両方出るようになりましたが、FMはまだ出ません。

2203Cの出力はそのままDACのYM3014Bへと行き、(2)からは音が出るはずです。ただ両方とも出なかったのでダブルで死んでいるのでしょう。

ソケット化して別の基板から3014を拝借したところ音が出ました。注文したので到着待ちです。(拝借した3014は元に戻した)

先にフラットケーブルが届いたので装着しました。あとは3014が届くのを待つばかりです。

届いたので交換しました。問題無くサウンドが全て再生されたのでこれで修理完了でしょう。「フラットケーブルがおかしいわけがない」という前提の元でやっていたので、特定までにとにかく時間が掛かりました。持ってて良かった動作する『戦場の狼』と『SPACE INVASION』。

【作業内容】
・基板洗浄
・フラットケーブル交換

CPUボード
・メインCPU交換(不要の可能性あり)
・74LS273交換
・74LS86交換
・サウンドROM脚補修
・YM2203C交換
・YM3014Bx2 交換

背景ボード
・ICソケット全交換
・ROM脚補修x4
・ROM焼き直しx2

スプライトボード
・74LS10交換
・ROM焼き直し

タイトー 『スペースインベーダー』の修理 (2枚目)

多分第6回となる『スペースインベーダー』系基板の修理日記です。今回は電源が壊れてた筐体に入れた結果起動しなくなってしまった基板です。GNDと12Vが導通しているというこの前直した『ギャラクシーウォーズ』と同じ気配のする故障具合です。

タンタルコンデンサ付近と8080のICソケットが派手に焦げています。

8080の脚がもげていたので補強しました。

タンタルコンデンサを全て外して12Vに関係するコンデンサを外しても導通したままでした。こうなるとDRAMが短絡しているとしか考えられないので外して行きます。

ここのDRAMが短絡していました。一番タンタルに近い場所です。このDRAMを外したらようやくGNDと12Vの導通がなくなったので、諸々元に戻していきます。

買ったDRAMへと入れ替えて立ち上げるとRAMエラーが出ました。

今回買ったDRAMとこの基板に載っていたDRAMを入れ替えたりしてみると、今回まとめて買ったDRAMが全てNGを出しています。買ったDRAMが全滅というなかなか無さそうな状況です。

GNDのところの波形が変だったのはよく見るとハンダが付いていないだけでした。慣れてきたからこそ起きたミスだと思うので皆様も気をつけましょう。

ハンダを付けたからといって症状が変わる訳ではない、別のソケット化した所のDRAMと入れ替えたらエラーの場所が転移という2点から、この前新品で買ったDRAMが不良品じゃないかという疑念が深まります。

別の基板から拝借したDRAMを使ったらエラーが無くなりました。音もシフターもOKだったのでこれで修理完了でしょう。

【作業内容】
・基板洗浄
・8080の脚を修復+ソケット交換
・中央ボードのタンタルコンデンサ全交換
・DRAM交換

タイトー 『スペースインベーダー』の修理

最近多い『スペースインベーダー』系基板の修理日記です。これで5枚目ですが『ギャラクシアン』以降とは違う基板の構成をしているので、いつまで経ってもあまり慣れない気がします。

今回の基板はインベーダーの移動音が変です。具体的には4音ある内、2番目が1番目より高い音がしています。インベーダーの移動音がどうこうというのは最初に直した『パートII』を思い出します。

インベーダーの移動音は回路図上ではSTEPと表記されています。

関連しているLM3900は総合ボリュームのみです。

裏面に交換された跡があったので、「このアンプのメーカー違いが引き起こしている可能性もあるのではないか」と思い交換してみました。音量は大きくなりましたが音程は変なままでした。

音を出しているIC26の556を調べても音程は変だったので、これよりも手前でしょう。

回路図を見るとIC19の74174からIC20の7417と抵抗を介して4つの信号(SX6/SX7/SX8/SX9)が556へと来ています。順当に考えると4つある移動音はそれぞれSX6/SX7/SX8/SX9となり、2番目の音が変だとなるとSX7の抵抗値がおかしいということなります。

それに該当するのはSN76477の左にある抵抗群です。正常動作している基板で抵抗値を調べると一番左から
・1kΩ (SX6 from 7417)
・1kΩ (SX7 from 7417)
・1kΩ (SX8 from 7417)
・1kΩ (SX9 from 7417)
・20kΩ
・20kΩ
・68kΩ
・100kΩ
・82kΩ
となっています。

ただ今回の基板は左から7番目、68kΩが付いているべき所に20kΩの抵抗が付いていました。確かに音が高くなる訳です。隣の20kΩをそのまま間違って付けてしまったとしか思えません。

抵抗を68kΩへ交換するとインベーダーの移動音は正常になりました。先日直した『ルパン三世』に続き、タイトーの製造ミスの可能性が非常に高い基板でした。

【作業内容】
・抵抗交換
・LM3900交換(不要)

ユニバーサル 『ギャラクシーウォーズ』(ROMC/白黒)の修理

この修理日記ではなんと4回目の『スペースインベーダー』基板の修理日記です。今回は立ち上がらない白黒版の修理となります。確かにAV7000で立ち上げると電源が入りません。これは電源ラインがショートしていて、保護回路が働いているからでしょう。

過去に直したものは音が小さい『パートII』DIPとI/Oが死んでいたミッドウェイ版eBayで拾ってきたジャンクの『パートII』の3枚です。お暇な時にそれぞれどうぞ。

あまりにも汚かったのでまたママレモンで洗浄しました。

ROMボードを見ると基板は純正なのにROMはどう見てもコピーです。

ケースには「水車」「ギャラクシー」と書かれています。『スペースインベーダー』のコンバージョンでROMが少なく、タイトルに「ギャラクシー」と付くのは『ギャラクシーウォーズ』一択でしょう。

修理に話を戻します。テスターでエッジコネクタに当たるとGNDと12Vが導通しています。どこのボードが悪いのか切り分けて調べてみましょう。

中央CPUボードの上にある16V22μFのタンタルコンデンサがショートしていました。特にここのタンタルはショートしやすいとのことです。

耐圧を上げて25V22μFのタンタルコンデンサへと交換しました。ただ交換しても導通している模様です。

この8 x 2 = 16個のタンタル(35V1μF)のどれかがショートしている模様です。

手前に倒した8個のタンタルがショートしていました。かなりの数です。

他のタンタルも近々爆発しそうな気がしたので、この際全部替えておこうと思い取り外しました。タンタルはなかったので注文。

タンタルが届いたので一通り交換しました。16個となるとなかなかの作業です。GNDと12Vが導通していないことをテスターで確認した上でスイッチオン。

予想通り『ギャラクシーウォーズ』が立ち上がりました。ユニバーサルやタイトーといったメーカー表記がないタイプのROMです。

「GOOD」と出るまで遊びましたが、サウンドも含め異常は見当たりませんでした。

元の鉄ケースに戻し、再度動作確認を行いましたが、異常は見当たりませんでした。これで修理完了とします。

【作業内容】
・中央ボードのCPU近くのタンタルコンデンサ(16V22μF → 25V22μF)交換
・中央ボードDRAM近くのタンタルコンデンサ(35V1μF)x16交換

ウエストン 『ライオットシティ』の修理

ウエストンの『ライオットシティ』を入手しました。ROMCは何度か見たことありますが、純正の『ライオットシティ』は初めて見ます。『ワンダーボーイ』シリーズ、特に『モンスターランド』のファンとしては同じ開発元のタイトルとして押さえておきたい1枚です。

ゲームの動作自体は問題がないのですが、音量を上げるとノイズ音が出ます。CPUを別のマザーへと移し替えて遊んでいましたが、このまま音のおかしいマザーを放置するのも良くないので調べてみます。

何故かコンデンサがホットボンドで固定されて付いています。気味が悪いので外しておきましょう。

ボリュームが交換された跡がありましたが、回路図通り2kΩなので問題無しです。

アンプは大丈夫そうなので、アンプ付近のコンデンサを一通り交換してみます。写真だと奥の470μFのコンデンサは跡が目立っていたので抜けていたのかもしれません。

手前の470μFはスルーホールが死んでいたのでジャンパしました。コネクタCとD(+5V)の部分がジャンパされているという、あまり意味の無い処理がされていたので取り外しました。

音声問題が解決しました。簡単に直って良かったです。コンデンサ交換で音が直ったのは過去事例だと『エアバスター』くらいでしょうか。アンプが死んでるとか音源が死んでるとか別の理由の方が多い印象です。

上ボードも下ボードも割と汚なさが目立ったので洗浄しました。紙のROMシールでもそのままで大丈夫な場合がありますが、今回みたいな風化しそうなのはROMを外してから洗った方がいいです。

ゲームは見ての通り『ファイナルファイト』の模倣作です。武器やつかみ時の追加攻撃、投げの無敵がないといったところは残念です。

ゲーム中やOPは青いチョッキを着ていますが、エンディングの1枚絵はチョッキがないので完全にコーディーです。それに対して2Pのボビーは歩き方も含めオリジナリティが高いので必見だと思います。PCエンジンSUPER CD-ROM2で『クレスト オブ ウルフ』という名前で移植されていますが、同じくらい淡泊な内容なので興味がありましたらどうぞ。

【作業内容】
・基板の洗浄
・ジャンパと追加されたコンデンサの除去
・アンプ付近のコンデンサ交換

タイトー 『ルパン三世』の修理

画面が反転しっぱなしの『ルパン三世』を預かりました。

確かに『スペースインベーダー パートII』とは上下が逆に出ています。DIP2-4がフリップですが、どちらへ入れてもこの向きに出ているので何らかの故障は間違いないです。

IC13の7417の出力が変に見えたので、取り外してもチェックしてもICチェッカーでは異常なしでした。ソケット化して戻してみたところ画面の向きが正常になりました。

フラットケーブルの接触だったと思い、接点洗浄剤を拭いていったん修理完了としました。

後日立ち上げるとまたフリップしっぱなしでした。流石にこれはフラットケーブルの接触ではないと思いますので、オシロスコープ片手に本格的に調査してみます。

画面反転の信号は『スペースインベーダー』の回路図上だと文字通り「VIDEO INV」でした。下ボードのIC15=74LS86の(1)へ信号が来ている模様なので、とりあえずここの波形を見てみます。

正転と反転はONかOFFしかないので、波形が浮いているというのは異常です。この信号は下ボードより上流、つまりは中央のCPUボードから来ていますので、パターンを追いかけていきます。

VIDEO INVの信号が来ている所のみハンダが付いていません。ハンダ割れとかではないので製造ミスの可能性が出てきます。基板が製造されてから約43年、ゲームセンターやマニア、そして基板屋でそのままだったのかと思うと感慨深いです。

念のため多めにハンダを盛っておきました。

衝撃を与えても問題なく画面が正常に出ています。

下ボードのIC15(1)の波形はGNDに落ちていました。2Pスタート時にはHIGHになっていたので修理完了でしょう。

2PのI/Oがスタート以外反応しなかったので、付属のハーネスを見てみたら1P部分のみの配線がされていました。付属のハーネスはチェック用でしかないので、ここに対してはそんなものだと思います。

2Pの上下左右とワープボタンが反応していますので、これで修理完了とします。引っかかると銭形にすぐ捕まるので4方向レバーで遊んだ方がいいでしょう。

【作業内容】
・フラットケーブル接点洗浄
・中央ボードのフラットケーブル部分にハンダを盛る
・付属のJAMMA変換ハーネスへ2P部分の配線

セガ 『ピットフォールII』の修理

未チェックジャンクでeBayに出ていた『ピットフォールII』の基板です。割安だったのですが、特に問題なく動いたのでラッキーでした。

しかしちょっと時間をおいて立ち上げたところ背景が化けていました。こういう時は接触だろうと背景のROM(EPR-6469~6474)を触ってみると、EPR-6473に触れたときにキャラ化けが消えました。ここの接触でしょう。

任天堂VS基板コナミの古い基板でおなじみの片側ソケットでした。

古いと外しにくいソケットも多いですが、今回はサクサクと外せました。

多少衝撃を与えてもキャラ化けが出なくなりました。ソケット1個の交換で良かったです。

テーブル筐体に入れて遊ぶかと思ったらまた違ったキャラ化けが発生してしまいました。再点検します。

移動中にキャラ化け→接触だろうと判断し、一番怪しいこのサブボードを抜き差ししてみました。型番は「171-5208」です。ソケットは両側タイプだったので交換せずそのままにしました。セガシステム1のこのタイプはとにかく接触不良に悩まされるので、多少高くても1枚基板版というか後期版を買った方がいいと思います。

問題なく最後まで遊べました。覚えることが一番多いのが1面で、あとはマップさえ覚えれば1面クリアまでに会得したテクニックでどうにかなります。そのためクリアまでの難易度は低い方ではないかと思います。AC版の移植もなく稼働店舗も早々無いですが、見かけたら是非1面クリアまでだけでも遊んで欲しいセガシステム1の名作です。

【作業内容】
・ICソケット交換
・サブボード挿し直し